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「志望校の入試の動向」に対する回答では、「医学部に合格するには、もちろん必死に勉強して学力を伸ばすことが必須ですが、伸ばした学力を効率良く合格に結び付けるための情報も必要と言えます」と書かせていただきました。ここでは、これらの情報を踏まえた受験校の選定法についてお話しいたします。
受験校の選定に当たっては、以下のファクターを考慮する必要があります。なお、倍率が非常に高い医学部入試では、医学部合格の可能性を少しでも高めるために、5校~10校程度を受験されるケースが多い傾向にあります。
これらについて1つずつ見てみましょう。
まずは1)についてです。言うまでもなく、これが5つのファクターの中で最もコアになります。何度も申し上げますが、医学部に合格するには、必死に勉強して学力を伸ばすことが必須です。しかしながら、すべての科目で万能に得点することのできる受験生はいません。そのため、医学部入試で学力を最大限に引き出すためには、上の①と②を考慮する必要があります。
平成25年度私立大学医学部一般入試 学科試験配点表(抜粋)
学校名 | 英語 | 数学 | 理科 | ||
---|---|---|---|---|---|
物理 | 化学 | 生物 | |||
慶応大 | 150 | 150 | 100 | 100 | 100 |
慈恵医大 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
順天堂大 | 200 | 100 | 100 | 100 | 100 |
日本医大 | 300 | 300 | 200 | 200 | 200 |
東邦大 | 150 | 100 | 75 | 75 | 75 |
上表からは次のことがわかります。例えば、東邦大の科目別の配点は、英語=150点、数学=100点、理科1科目め=75点、理科2科目め=75点となっています。そのため、他の医学部に比べて、英語が得意な受験生に向いていると考えることができます。また、慈恵医大の科目別の配点は、英語=100点、数学=100点、理科1科目め=100点、理科2科目め=100点となっております。そのため、他の医学部に比べて、全科目ともバランス良く習熟している受験生に向いていると考えることができます。このように学科試験における科目別の配点を考慮すると、医学部入試で学力を最大限に引き出すチャンスが広がります。
しかしながら、ここで注意すべきことが1つあります。それは出題される問題との相性です。ほとんどの受験生は「この大学の問題はどの科目も解きやすい」とか「この大学のこの科目の問題は解きにくい」といった感覚を持っていて、それが入試結果を左右することも多くあります。そのため、出題される問題との相性も考慮すべきものとなります。なお、出題される問題のイメージをつかむには、直近3~5ヶ年分の過去問のほか、信頼できる予備校が作成している予想問題を用いても良いでしょう。
次に2)と3)についてです。生徒さんが「○○大学医学部に絶対合格したい」と願って勉強することが志望校合格を強く後押しすることは言うまでもありません。また、ご家族の方々のご希望についても同様のことが言えます。これらは言わずもがなのことでしょう。
次に4)についてです。受験日程については、1次試験日、1次合格発表日、2次試験日、2次合格発表日、入学手続締切日をまず確認してください。その際には第1志望校の1次試験日と第2志望校の2次試験日が重なった場合などの対応についても事前に決めておくと良いと思います。また、受験場所についても確認しておいてください。長距離の移動を伴う場合には、日程的な余裕が必要になります。
最後に5)についてです。このファクターは現役生~2浪生にとってはあまり重要ではありませんが、3浪以上の生徒さんにとっては非常に重要なファクターとなります。平成25年度一般入試について各大学が公表している数値によると、最終合格者(入学者)に占める3浪以上の受験生の比率は以下のとおりとなります。
平成25年度私立大学医学部一般入試 最終合格者(入学者)に占める3浪生以上の比率(抜粋)
学校名 | 比率 |
---|---|
慈恵医大 | 16.3% |
日本医大 | 11.4% |
愛知医大 | 17.5% |
埼玉医大 | 20.0% |
久留米大 | 33.1% |
もちろん受験者数について、3浪以上が現役生や1~2浪生よりも少ないことは自明であると思います。しかしながら、上表のように大学別の数値が大きく異なっているということは、合格者を決定する際に大学サイドに一定のポリシーがあると言わざるを得ないと思います。そのため、ご質問の方のように3浪以上の受験生が受験校を決定する際には上表のような数値を参考にすると良いと思います。なお、このような数値はすべての医学部で公表されている訳ではありません。むしろ公表していない医学部の方が多いのが現状です。そのため、自分の志望校の数値が公表されていない場合には、信頼できる予備校に問い合わせることをお勧めします。