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昨年度の入試で私立大学医学部に1次合格されたのですね。「下位校」と謙遜しておっしゃっていますが、ご存じのとおり、今の医学部入試では大手予備校が公表している偏差値の一覧表の通りに合否が決まることはなくなっています。私のいる東大螢雪会でも、東京慈恵会医科大学や日本医科大学のようないわゆる「上位校」に合格した生徒さんが「中位校」や「下位校」に不合格になる例は毎年いくつも目にしています。そのような中、私立大学医学部に1校でも1次合格したということは、それまでしっかりと努力をしてきたということの証明であると思います。
しかしながら、毎年難化している医学部入試では、前年に1次合格した大学に、翌年も1次合格できる可能性は高いとは言えない状況にあります。そのため、ご質問の方は、今年度も私立大学医学部を目指す場合であっても厳しい受験勉強をしなければなりませんが、志望校を国公立大学医学部に変更したのであれば、さらに一層厳しい受験勉強をしなければなりません。センター試験の国語と地歴公民を追加で勉強するだけでも、かなりの負荷がかかることになります。また、一般的に、私立大学医学部と国公立大学医学部の出題傾向が異なることも大きく影響します。
これまで私は数多くの医学部受験生と接してきています。浪人することが決定した時に、様々な理由により、志望校を私立大学医学部から国公立大学医学部に変更される方を見てきています。その後1年間の勉強で見事合格を果たされた方も確かにいらっしゃいますが、多くの方はかなり苦戦することになります。センター試験の国語と地歴公民の追加と、私立大学医学部と国公立大学医学部の出題傾向の違いは、1年間の勉強では容易には克服できない高い壁になります。そのため、ご質問の方が本気で国公立大学医学部を目指すのであれば、それなりの覚悟が必要だと思います。
受験が終了した3月からすぐに勉強を再開されたということは、恐らくその時点では、もう1浪することになったという事実をバネにして良いスタートを切ることができたのだと思います。そして、4月に新たな予備校の授業が始まり、その時点までは順調だったと思います。そのままの調子で1年間走り続けたとしても、国公立大学医学部への志望校の変更による高い壁、つまり、センター試験の国語と地歴公民の追加と、私立大学医学部と国公立大学医学部の出題傾向の違いを克服することは容易ではありません。
やや失礼な言い方になってしまいますが、ご質問の方が本気で国公立大学医学部を目指すのであれば、今すぐ気持ちを立て直す必要があります。現実を直視する必要があります。そうしないと、また1年浪人することになります。20歳前後の1年間は、様々なことを経験することによって大きく成長することのできる貴重な1年です。40歳前後の1年間や60歳前後の1年間とは意味が全く違います。今のままでは、そんな貴重な1年を無駄にすることになってしまいます。とにかく今すぐ気持ちを立て直してください!