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志望する医学部に合格するためには、もちろん個別の医学部に特化した対策が必要になります。その1つの要素が過去問演習であり、その効用などについて「高卒生からのQ18に対する回答」の中でお話しさせていただきました。では、過去問演習を含めて、個別の医学部に特化した対策はどのように行えば良いのでしょうか?医学部受験を取り扱う様々な塾・予備校の講座や市販の教材を見渡すと、大きく以下の3つの選択肢に分けることができます。
これら3つの選択肢について、詳しくみてみましょう。まず1つ目ですが、これはさらに以下の2つに大別されます。
A 過去問演習を中心に指導する講座
B 予想問題演習を中心に指導する講座
Aの受講を検討する際には、過去問がアレンジされたものであるか否かを事前にチェックする必要があります。もし過去問がアレンジされたものでない場合、つまり、1ヶ年分の問題のすべてがそのまま使用される場合には、既に演習した年度の問題が登場して、「なんだ、この問題解いたことある」ということになるかもしれません。しかし、一定程度以上アレンジされたものである場合には、そのようなことはなく、学習効果は期待できます。ところで、いくら過去問演習を中心に指導する講座であっても、普通は赤本の解答をホワイトボードに板書して終了といったことはありません。英語であれば関連する英熟語、構文や書き換え表現を紹介したり、数学であれば何通りかの別解を披露したりして、生徒さんが「受講して良かった」と思えるような+αの内容がたっぷりと用意されているものです。しかし、ご質問の方の予備校ではそうではないようです。これでは、「時間もお金も無駄」と考えるのももっともで、正直言って、受講する必要はないと思います。ただ、過去問演習はしっかりとやってくださいね。
次にBについてです。このような予想問題をしっかりとした形で作成できるような塾・予備校はなかなかありません。また、「予想問題演習」と謳っていても、蓋を開けてみると、ただの「過去問演習」である場合もあります。そのため、本当に予想問題を使用するのか、そして、その問題がしっかりと作成されているのかを事前にチェックした方が良いと思います。これは前年度の問題を入手すれば、すぐに分かることです。ちなみに、私のいる東大螢雪会では、主要な私立大学医学部12校分の予想問題を毎年作成していて、当会のホームページから無料で取り寄せることができます。
では2についてです。「○○大学医学部対策」を謳った教材は、それほど多くはありませんが市販されています。こんなことを言ってしまって本当に申し訳ないのですが、このような教材を手に取ってみると、クオリティの低さに驚きます。問題の選別や解答・解説の内容が良くないばかりか、誤字や脱字が多く、解答・解説の内容に誤りがあるものもあります。これでは、志高い受験生をミスリードすることになります。そのため、このような教材はお勧めできません。
次に3についてです。私は東大螢雪会という個別指導を行う予備校におりますので、医学部受験に精通した講師による個別指導の良さを十二分に感じ、理解しています。それをここで高らかに語ってしまうと、コマーシャルになり過ぎてしまうので、控えめに語らせていただきます(笑)。そもそも「○○大学医学部対策」のような個別の医学部に特化した対策の目的は、過去問演習や予想問題演習を行いながら、その大学の出題形式や出題傾向に沿った形で、生徒さんの学力を伸ばすことです。ただ過去問を演習すれば良いとか、ただ予想問題を演習すれば良いということではないのです。生徒さんの苦手な箇所や理解までのプロセスは1人1人全く異なります。入試本番までの時間のない中で、個別の医学部に合格するための学力を効率的にカスタマイズできるのは、医学部受験に精通した個別指導の講師ということになります。
先程もお話ししましたが、ご質問の方は、今通っている予備校の「○○大学医学部対策講座」は受講せずに、ご自分の弱点を克服するために時間を使った方が良いと思います。私立大学医学部の入試日程が始まるまで、もう5ヶ月程しかありません。貴重な時間を無駄にしない方が良いと思います。
ところで、このようなオプションの講座を受講しない生徒に対して「これを受講しないと合格しない」と半ば脅迫のようなことをしている予備校があるという話はよく聞きます。このような逆風には負けずに、自分のために進むべき道を選択してください。また何か困ったことがあったら、いつでも相談してください。