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志望校を選定する際のポイント

  • 2018年5月6日

質問


質問者
私は私立大学医学部を志望する高校3年生の息子を持つ父親で、3代続いている診療所で開業している医師です。私も年を取ってきているので、1年でも早く息子に診療所を継いでほしいと考えています。そのため、医学部であればどこでもいいから進学してほしいと考えています。しかし、本人にはどうしても進学したい医学部があるようで、それ以外のところに合格しても進学しないと言っていて、非常に困っています。どうすればよいでしょうか?なお、本人は医療という切り口から人の役に立ちたいから医師になりたいと言っています。

回答

まずは少し残念なお話をさせていただきます。医学部受験生のほとんどは、日本にどのような医学部があって、それぞれどのような特色を持っているのかということに対して、非常に無頓着です。本来であれば、自分が医師への第一歩を踏み出す場を選ぶために、自ら進んで様々な医学部の特色を調べて比較検討し、志望校を決定するのが筋なのかもしれません。しかし、そのようなプロセスで志望校を決定する医学部受験生はほとんどいないのが現状です。大学側としては、パンフレットやHP、そしてオープンキャンパス等によって、医学部受験生に少しでも大学のことをみて理解してもらいたいと考えているのでしょうが、残念ながら、なかなかそのようにはなっていないようです。私は長年医学部受験生とやりとりをしていますが、一般的な医学部受験生が志望校を選定する際にポイントとしていることは以下のとおりだとみています。

【一般的な医学部受験生が志望校を選定する際にポイントとしていること】

  • 偏差値
  • 入試の出題傾向
  • 入試の日程と場所
  • 大学のイメージ
  • 学費

これらについて1つずつ解説させていただきます。

「偏差値」について
やはり医学部受験生は医学部の序列を偏差値で判断する傾向にあります。そのため、分りやすく言うと、「偏差値の高い医学部=良い医学部」、「偏差値の低い医学部=悪い医学部」と考えていると言えます。医学部受験生は常に偏差値を目安にして勉強を進めてきているので、このような傾向になっているのでしょう。
「入試の出題傾向」について
どんな問題でも完璧に解ける医学部受験生は、もちろんいません。そのため、自分が解きやすい出題傾向の医学部を志望するのは当然のことと言えます。
「入試の日程と場所」について
私立大学医学部を専願している受験生であれば、通常10数校を受験することになります。そのため、自分の気力と体力と相談をしながら、入試のスケジュールを組むのは賢明なことと言えます。
「大学のイメージ」について
 「どうしてもこの医学部に行きたい」という生徒さんにその理由を尋ねると、「なんとなくイメージが良いから」と答えるケースは多いものです。逆に「なんかこの大学は嫌だ」と特段の理由もなく頑なにその大学を避ける生徒さんがいるのも事実です。
「学費」について
学費は親御さんが最も関心のあるポイントの1つです。そのことは医学部受験生も認識しているので、受験させてもらえるか否かを判断するために、学費をポイントとしている医学部受験生が多いのも事実です。

一般的な医学部受験生が志望校を選定する際にポイントとしていることをまとめると、以上のとおりになります。この中に各医学部の特色の話が出てこないのがやはり残念なのですが、これが現実です。なお、実際の受験校を選定する際に気を付けるべきことをまとめた記事を「高卒生からの質問Q7」にて書かせていただきました。ご興味のある方はバックナンバーでお読みください。

ところで、ご質問の方の息子さんには、どうしても進学したい医学部があるとのことですが、これは医学部の特色を調べた結果のものなのでしょうか?そうであることを祈っております。また、それ以外の医学部には合格しても進学しないとおっしゃっているとのことですが、これは困りものだと思います。なぜなら、このコーナーで再三申し上げてきておりますが、近年の医学部人気により医学部入試は年々狭き門になっていて、どの医学部も普通ではなかなか合格できないレベルにまで達しています。そのため、受験終了時に複数の医学部に最終合格していて、どこに進学するかを迷うことができる受験生は極めて少ないのが現状です。このような状況にあるので、医師になりたいのであれば、最終合格させてくれる医学部にはどこでも喜んで進学するというようなスタンスが必要になっていると思います。となると、息子さんが第1志望校ではない医学部にのみ最終合格した際に、お父様が1年でも早く医学部に進学してほしいと望むのであれば、息子さんを説得して進学させるしかないと思います。
では次に、どのように息子さんを説得するかということについてお話しさせていただきます。息子さんは、医療という切り口から人の役に立ちたいと考えられているとのことですので、次のようなお話をしてみてはいかがでしょうか?これは私が同じような生徒さんにお話しして実際に効果のあるものです。

【なぜ1年でも早く医師になる必要があるのか】

ー あなたが医師になった時のことを想像してみてください。

体の不調を訴える患者さんがあなたの診察を受けるために集まってきています。

近くにお住まいの方もいれば、遠く離れた場所にお住まいの方もいるかもしれません。

あなたは患者さんのために、食事を摂る時間も惜しんで診察することになるでしょう。

1日に50人の患者さんを診察すると、1週間に5日間診察すれば、250人の患者さんを診察することができます。

ということは、1ヶ月間(4週間)で1,000人、1年間(52週間)で13,000人の患者さんを診察することができます。

あなたが1年早く医師になることができれば、この13,000人の患者さんを救うことができるのです。

「医師」とは、すべての人の健康・幸せを支える尊い存在であるべきだと思います。ご質問の方の息子さんが、「医師」の本質を見通して賢明な判断をさせることを祈っております。