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  • 2018年4月28日

質問


質問者
私は地方の公立高校に通う1年生です。幼い頃から医学に興味があり、将来は医師として社会に貢献したいと考えています。しかし、身内には医師はおらず、私の父親は普通の会社員で母親は専業主婦なので、経済的に裕福とは言えません。こんな私が医師を目指しても良いのでしょうか?

回答

 当然のことですが、医師を目指す上で何らの制限や条件のようなものはありません。ご質問の方のように、幼い頃から医学に興味があり、将来は医師として社会に貢献したいと考えているのであれば、もちろん医師を目指すべきです!

 経済的なことを考えると、まずは国公立大学医学部を目指すのも一法です。北は北海道大学医学部から、南は琉球大学医学部まで、50校程あります。しかし、どの国公立大学医学部も難易度は極めて高くなっています。センター試験の得点率で9割以上が必要となる大学も少なくありません。倍率だけを見ると、私立大学医学部よりも低い大学が多いために、難易度はそんなに高くないのではないかとおっしゃる方もいますが、そんなことは全くありません。国公立大学医学部の入試はまさに選ばれし者達の戦いなのです。さらに、2次試験の試験科目の構成にもいくつものバリエーションがあります。特徴的なものをご紹介しましょう。

    東京医科歯科大学医学部/前期試験

  • 英語
  • 数学
  • 理科2科目
  • 面接
  • ※ 一般的な科目構成です。

    旭川医科大学医学部/前期試験

  • 英語
  • 数学
  • 集団面接
  • ※ 理科はありません。

    群馬大学医学部/前期試験

  •  数学
  • 理科2科目
  • 小論文
  • 面接
  • ※ 小論文は英語と理科の内容を問うものとなっています。

    浜松医科大学医学部/後期試験

  • 小論文
  • 面接
  • ※ これ以外の学科試験はありません。

 また、近年数多くの私立大学医学部において学費の値下げが行われています。今年度入試においても帝京大学で約1,170万円(6年間合計)の値下げが行われることはご存知のことでしょう。しかし、学費の値下げが行われると、受験者数が増えることに繋がるために、難易度が上がることになります。昨年度入試においても東邦大学医学部で600万円(6年間合計)の値下げが行われたために、受験者数は前年に比べて413名増えました。つまり、学費の値下げは受験生にとってうれしい反面、狭き門が一層狭くなるという事態を生んでいます。ところで、私立大学医学部の学費について、続々と値下げが行われていますが、本当に安くなったと言えるのでしょうか?今年度入試において学費の最低額は順天堂大学医学部の約2,123万円(6年間合計)です。この金額は日本の就業者の平均給与の水準から考えると、まだまだ高いものだと思います。そのため、私立大学医学部の学費については、いくら値下げが行われたと言っても、なかなか手が届かないご家庭が多いのが現実です。もっと学費の安い私立大学医学部の登場を期待したいと思います。

 また、医学部の中には、奨学金や貸付金の制度を設けているところがあります。「○○県地域枠」のような地方公共団体が経済的な支援を行うものもあります。このようなものを活用することも有効だと思います。

 ご質問の方のように医学に興味があり、医師を志望する理由が明確な方は、ご自分がどんな環境にあっても初志貫徹していただきたいと思います。そのような志ある医療人こそが、次世代の医療の担い手に相応しいと思います。