質問
質問者
私は国公立大学医学部を目指す高校2年生です。センター試験で選択する地歴公民の科目をどれにしようかと考えています。自分としては、幼い頃から世界史に興味があるのですが、センター試験で9割以上の得点を取れる学力を身に付ける自信は正直ありません。どの科目を選択すべきかについてアドバイスをお願いします。
回答
幼い頃から世界史に興味があるのですね。となると、「センター試験も君が興味のある世界史で受験しなさい」というアドバイスをするような先生もいらっしゃるかもしれません。しかし、このアドバイスは私のような立場にいる者にとっては、やはり無責任なものに聞こえます。その理由は以下のとおりです。
― 国公立大学医学部を目指す受験生は、英語、数学、理科、(場合によっては)国語に多大な時間と労力を費やすことになる。したがって、地歴公民は最少の努力で最大の効果を上げる必要があり、そのためには科目の選択において一定の戦略が必要になる。
この戦略についてお話しさせていただく前に、国公立大学医学部を目指す受験生がよく選択する地歴公民の科目、世界史B、日本史B、倫理・政経、地理Bについて、科目別の特徴を整理してみましょう。
【国公立大学医学部を目指す受験生から見た、地歴公民の主な科目の特徴】- 世界史B
- センター試験レベルと言っても、やはり暗記すべき量が多いのが特徴です。いくら世界史が好きだとしても、9割以上の得点を取るためには、かなりの時間と労力が必要になります。また、例えば、18世紀ヨーロッパの「ホーエンツォレルン家」のように、とにかくカタカナの用語が山のように出てきます。そのため、少し変な話になりますが、大量のカタカナに馴染めない人には向かない科目だと思います。
- 日本史B
- こちらもセンター試験レベルと言っても、やはり暗記すべき量が多いのが特徴です。ですので、世界史と同様に、いくら日本史が好きだとしても、9割以上の得点を取るためには、かなりの時間と労力が必要になります。また、例えば、足利義満・義持・義教・義政のように、とにかく漢字の用語が山のように出てきます。そのため、こちらも少し変な話になりますが、大量の漢字に馴染めない人には向かない科目だと思います。
- 倫理・政経
- 正式名称は「倫理、政治・経済」です。ご存知のとおり、以前は「倫理」と「政治・経済」という別々の科目でした。そのため、特に「倫理」は時間と労力をあまり費やすことなく高得点が取れる科目として国公立大学医学部を目指す数多くの受験生が選択していました。しかし、「倫理・政経」は2つの科目が合体したものになるので、世界史Bや日本史Bに匹敵する程の時間と労力が必要な科目になってしまいました。
- 地理B
- 世界史B、日本史B、倫理・政経に比べて、暗記すべき量が少ないのが特徴です。また、図表の読み取りだけで正解にたどり着けるような問題や、いわゆる一般常識の範囲内で答えられるような問題が出題される傾向にあります。さらに、学習すべき内容が「歴史」=過去のものではなく、現在の、しかも比較的身近なものであるため、テレビや新聞を見ていても学習のヒントを得ることができます。
以上により、次の戦略を導くことができます。
【国公立大学医学部を目指す受験生にとっての地歴公民の科目の選択における戦略】
― 地理を選択するとメリットが大きい。
以上の内容を参考にしていただき、地歴公民を省エネ学習で乗り切ってください。そうすることによって、その他の科目の学習も生きてきますので、受験生としての総合的な得点力が上がることになります。