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休み癖が根付いている生徒さんを改心させるのは、やはりかなり大変なことです。それは、ものの考え方や生活リズムを大きく変える必要があるからです。しかし、もちろん不可能なことではありません。おそらくご質問の方は息子さんに何度も何度も注意をして、いろいろな話をしてきていると思います。「なぜ勉強をしなければならないのか」、「人生にとって大学受験とは何なのか」、「医学部に合格した後の人生がどうなるのか」…のような、ここでは語りつくせない程の話を息子さんにされていると思います。ですので、ここでは、そのようなものとは全く違った切り口からアドバイスをさせていただきます。
おそらくご質問の方の息子さんは、自分が浪人して予備校に通うのに、どの程度の費用がかかっているのかを知らないのではないでしょうか?というのも、私のこれまでの経験から言うと、医学部受験生はやはり裕福なご家庭で育った方が多いこともあってか、子供に予備校の授業料がいくらなのかを伝えない親御さんが多い傾向にあると思います。そのため、例えば、1回1万円以上もかかるような授業を無断で何度も休む生徒が、昼ご飯代の1,000円を「高い」と言うような現象が起きることがあります。このような生徒さんに効果があるのは、まずは予備校の授業料がいくらなのかを本人に伝えることです。それですぐに改心して、休み癖が治る生徒さんも多くいます。しかし、それでも改心しない生徒さんには、次の手があります。それは、やや手荒いかもしれませんが、授業料を現金で本人に見せて、触らせてみることです。ここで1つのエピソードをご紹介します。
― 私のいる東大螢雪会で浪人をして、都内にある私立大学医学部に合格したN君のエピソードです。
N君は1~3浪時は大手予備校に通い、授業を無断欠席ばかりしていたとのことでした。そのため、学力は下がる一方だったようです。4浪目の春に当会に入会されました。入会当初N君は「僕は改心しました。螢雪会の授業は休みません」と言っていました。しかし、根付いていた休み癖はまたすぐに出てきました。そのため、担当講師と私は常にN君といろいろな話をしてN君の勉強に対するモチベーションを保つことに注力しました。その甲斐もあってか、N君は何とか志望校の医学部に合格することができたのです。しかし、「開放的な性格のN君は、医学部進学後に遊んでしまい、留年するのではないか」と誰しも考えていました。そして、医学部合格が決まった後にN君は挨拶に来てくれました。志望校に合格したN君ですから、さぞかし楽しげな表情をしているだろうと思いきや、それまでに見たことがない程の非常に引き締まった表情をしていました。N君は私に言いました。
― 「昨夜父に呼ばれました。父は『これがお前が医学部に入るための入学金だ』と言って、札束を出してきました。その後1万円札を1枚1枚数えさせられました。そうしているうちに自分が医学部に入る重みをひしひしと感じました。僕は今度こそ改心して、しっかりとやっていきます」
その後N君は、大学の授業を休むことがないばかりか、常に学年で10番以内の成績を維持していました。今は心優しい小児科医になっています。