国語の勉強法は、つまり読解の勉強法になります。国語は日本語で書かれている文章ですから、それなりに読んで分かるでしょうが、正確に読めているかどうかが問題です。その際、まず語彙力には注意が必要です。
いくらか分からない漢字や言い回しがあったとしても、その前後の文章で内容がある程度想像はできるでしょうが、文章を穴あき状態で読むわけですから、どうしても正確でなくなります。
国語とは言っても、言葉の知識は絶対に必要です。まして中学、高校と、だんだん複雑で内容の深いものを読んでいくようになるわけですから、知らない言葉が増えてくるのは当然です。漢字やことわざ、四字熟語など、問題集を使って強化するとか、読んでいる文章中に出てきた分からない言葉を調べて、単語帳に書き込んで覚え、ときどき見直して覚えなおす、など、言葉の知識の強化については英語と同じように努力してください。
説明文
説明文は、筆者が主張したいことがある文章です。筆者が何について、どういう主張をしているのかが、大事になってきます。まず、何についての文章なのか、それをつかむことです。そして最終的に、その問題について筆者はどう主張しているのか。この点さえ押さえられれば、その文章の一番大事な部分はつかんだことになるでしょう。
ただし、結論に至るまでに、文章はいろいろ回り道をしていきますので(説明文は、大事なところとそうでないところがあるのです)、その道筋を正確についていくことが求められます。
いきなり主題をはっきり示す文章もあるでしょうし、日常的なできごとから書きだされることもあるでしょう。また、例をあげたり、反対意見を示してからそれに対する反論の形で筆者の言いたいことを述べたり、さまざまなパターンがありますので、いろんな文章を読んで、文章の流れ、関係、そのパターンに慣れることが大事です。
そうした文章どうしの関係、流れを示すのが、接続詞です。順接(そして、だから)、逆説(しかし、とは言え)、並列(また、あるいは)、例示(たとえば)などなど。論理的文章を読むには、接続詞に注意することが大事です。そしてその中で特に大事なのは、まとめの接続詞だと言えるでしょう。「つまり」「要するに」「従って」などは、結論を導き出すための言葉ですから、その後に重要なことを述べることが多いのです。
物語文
物語文は、ある状況に置かれた人物の気持ちの流れや変化を描いたものだと思っていいでしょう。その人物の気持ちになってハラハラしてみたり、自分だったらと仮定してみたりして、楽しんだり、考えたりするものです。大事なのは、状況をつかむことと、その人物がどういうキャラなのか、そういう人がこの状況に置かれたらどんな気持ちになるのかをつかむことです。
小説文ではそういったことがらは、はっきり書いているよりも、ほのめかされていることが多いので、その部分を読み逃さないことが大事になってきます。「注意力」です。そして、そういった部分から、「想像力」を働かせること。物語がこの先どうなってゆくのかを想像するのも、物語文を読むときの楽しみです。
しかし、大事なのは、自分勝手に想像するのではなく、これまで見つけた部分から、また、後から見つけた細部から、自分の想像を直してゆくことです。思い込みはいけません(読解という意味では、です。ただし、自分で物語を書いてしまうなら別です)。こうして「注意力」と「想像力」をバランスよく働かせてゆくことが、物語文を読むということになります。この読解力を上げてゆくには、同じ物語を繰り返し読むことがいいでしょう。ある程度話の流れが分かった上で読めば、それまで気がつかなかったところにも気がつくようになり、「注意力」が上がっていきます。そのうえで、たくさんの物語文を読めば、「想像力」の幅も広がってゆくでしょう。
古文
中学校ではまだ簡単な文章しか勉強しませんが、高校になると本格的に勉強することになりますから、今のうちに特徴だけはつかんでおいた方がいいでしょう。
勉強法として大事なのは、音読をすることです。今の日本語とリズム感が違っていますので、それに慣れることは学習の上でけっこう大事なことです。
次に内容のつかみ方。今の日本語と違う最大の点は、主語や助詞(てにをは)が省略されることが多いことです。話の流れを想像して、誰がしていることなのか、誰に対してしていることなのかを想像していく必要があります。
また、今の日本語と意味が違う単語(例えば「ありがたし」は、「ありがたい」ではなく「珍しい」など)がありますから、注意が必要です。大体の内容をつかんだら(現代語訳を見てもいいので)、その上で改めて音読をくりかえすと、書いてあることと内容がだんだんなじんで一致し、分かったと感じられてくるはずです。
漢文
古文と同様、中学では基礎的なことを学び、高校で本格的に学習が始まる分野ですが、特徴は今のうちに知っておきましょう。
まず、漢文は中国の言葉を日本で読む読み方を学ぶものです(日本語は中国の言葉からたくさんのことを学びましたので、中国の文章を読む学科が、「漢文」としていまだに残っているのです)。漢文と日本語では言葉の順番が違っていますので、順番を並び替える返り点(レ点とか一、二点)をまず学ばなければなりません。漢文では、英語と同様に、主語、述語動詞の順番になっているので、日本語にするには順番を直さなければならないのです。また、読まない漢字もありますが、これは見慣れてくれば何となく分かるようになるので、そんなに気にしなくても大丈夫です。
このことを理解した上で、まず書き下し文を音読してください。漢文のリズムに慣れることがまずは大事です。そこで内容を想像し、また日本語訳を見て、内容をつかんだ上で、改めて音読をすると、書いてあることと内容がだんだんなじんで一致し、分かったと感じられてくるでしょう。