倫理 大学受験
1. センター倫理における独特の問題傾向
①出題数・分野・配点と特徴など
例年、4つの大問で構成されており、各大問の最後の設問は、4つとも「本文の内容に合致する記述として最も適当なものを選べ」として、3行から4行の文章からなる選択肢から1つを選ばせています。これは国語の現代文の出題と類似しています。このように、文章をたくさん読ませて論理的思考力を含む読解力を試す問題を出題するというのが、センター倫理の特徴と言えます。
出題分野は例年変わらず、以下の通りの順で出題されています。
- 第1問「青年期・現代社会分野」(10問28点)
- 第2問「源流思想」(9問24点)
- 第3問「日本思想」(9問24点)
- 第4問「西洋近代思想」(9問24点)
②出題形式
問題文中の下線に関連した内容について、選択肢の正誤を問う問題が中心となっています。ただし、選択肢のひとつひとつの多くが3行以上の文章ですので、どの選択肢もきちんと読みこなせないと正誤の判断がつきません。
また、統計資料から読み取ることのできる内容を問う問題も出題され、グラフや数値を慎重に比較し吟味しないと正否の判断ができません。
このように、一目で正誤が分かるような単純な問題は出題されません。大量の文章や統計資料を読み、内容を理解するには読解力が必要です。受験生は試験時間内に大変な作業を終えるよう強いられます。センター倫理は、国語の現代文を受験するつもりで臨みましょう。
2. センター試験対策
A)まず、教科書をじっくり読もう
文章中に倫理独特の用語が入っており、その用語が適切かどうかで、文章の正誤が判断できるケースも多くあります。そのため、まず用語などの基本をしっかり固めておくべきです。センター過去問などにすぐに取り掛かるようなことはせず、まずは教科書をじっくり全範囲読むことが大切です。
センター試験を受けたときに、基礎的な問題を取り損なってしまうと、高得点を取ることが相当難しくなります。つまり、基礎的な問題は確実にクリアして6割前後を確保し、難しい問題を正答して、それに得点を上乗せできれば9割レベルにも達するわけです。
B)用語を覚え、思想を徹底的に理解しよう
- 古今東西の思想家は、これまでにないオリジナルな主張をするために、独特の用語を新たに創出して用いているため、思想家とその用語を理解しつつ結び付けて記憶すべきです。
- 覚えるべき思想家や思想内容の範囲は、教科書の範囲から出題されると一応言えますが、一部に範囲を超える出題もあります。しかし、選択肢から1つ選ぶケースでは、正答が基礎的な事項の場合は、その他の選択肢が難問でも正答が見つかります。そのような配慮がされていたり、または消去法で正答が分かったりするケースもあるので、範囲については悩まないことにしましょう。
- ただし、思想家の思想を理解するのは難しいです。自己の思い込みで誤解しないように注意し、曖昧にしかわからないと感じたら、資料集や用語集で時代背景や主張した理由などまで広げて確認を怠らないようにしましょう。
3.センター倫理を得点源にするには
教科書を読む際には、用語集は不可欠です。できれば資料集も手元に置いて辞書的に利用するとよいでしょう。それらをさらに読み込めば9割以上の得点に近づけるはずです。
- 用語集には、清水書院のものか山川出版のもののどちらかがよいでしょう。いずれも教科書記載頻度などで重要度もチェックできます。
- 資料集には、清水書院のものなどには、先哲の思想の原典も載せてあり、より身近に感じ理解にも役立ちます。
4. 過去問は必ず数年分やろう
過去問を数年分解いて、試験に備えましょう。特に読解力を試す問題などについては、過去問で慣れて置く必要があります。また、本番では時間配分に注意して落ち着いて取り組みましょう。