高校生向け 日本史の学習の進め方
日本史では基本的には教科書と用語集等の内容を隈なく暗記することが必要ですが、まずは時代の流れを把握しなければなりません。
また、理解・暗記した事項のつながりや歴史的な位置づけといったことも学ばなければならないため、独学だけではすべての範囲をカバーしきれないことがあります。
学習の進め方 総評
1.大学入試のための日本史の学習に取り組むに当たって
日本史を受験科目として選択する人は、日本史について、小・中学校を通じての学習である程度の知識を持っていると思います。
しかしながら、文系の受験生は言うまでもなく、理系の受験生がセンター試験で高得点を狙う場合であっても小・中学校で学んだ知識とは比較にならないくらいの多くの知識を覚えることが必要となります。
したがって、教科書の隅から隅まで理解する努力が必要です。また、特に理系の受験生にとっては日本史の勉強に割く時間はあまり多くはないはずです。そのため、効率よく学習していくことが求められます。
2.日本史の学習においてポイントとなる事項
日本史の知識を自分のものとするためのポイントは以下のとおりです。
事項 | 解説 |
---|---|
① 時代の流れ | 時代の流れをつかむためには、教科書をじっくりと読むことが最もよい方法です。 |
② 用語 | 文系の難関大学の場合、かなり詳細な部分に関する用語を答えることが要求されます。用語を記述する場合、漢字を正確に書くことができないと加点されません。 |
③ 年代 | 正確な年代を答えるよう求められることは少ないですが、知っていれば、より効率よく学習できます。少なくとも「何世紀ごろか」はわかるようにしましょう。 |
④ 史料 | 歴史的に重要な史料については、何に関連する史料であるのかを特定できることが必要です。 |
⑤ 論述力 | 文系の受験生は論述問題に対応できる力が必要となることがあります。しかし、基本事項を理解した後に論述問題対策に取りかかるべきです。 |
⑥ その他 | 教科書などに掲載されている写真がどのような遺跡や文化財を示しているのか特定できること、歴史上の重要な地名を地図上で示すことができることや税制史などある一つのテーマに沿って史実を捉えなおすことなどが大切です。 |
3.学習の進め方
日本史は、前述のとおり理解・暗記すべき事項が多く、またそれらの事項のつながりや歴史的な位置づけといったことも学ばなければならないため、独学だけでは全ての範囲をカバーしきれないことがありえます。
原則として、まずは高校の授業をしっかりと聴いて、学校の授業の進度に合わせて学習するようにしてください。そうすることが最も効率的に理解できる方法なのです。
以下に文系の受験生と理系の受験生に分けて学習の進め方を示しておきます。
(1)文系の受験生
① 学習のスケジュール
遅くとも8月までに教科書の記載事項を十分に理解しておくようにしてください。9月以降はさらに文化史等のさまざまな切り口で歴史を捉え直す作業を行うようにしてください。
② 高校の授業の進度が遅い場合
高校によっては、授業の進度が遅く、近現代史を受験直前期に学ぶことになる場合があります。入試では、戦後を含む近現代史の知識をきちんと把握していなければ、問題に対応できません。
このような場合には高校の授業で学習しているところよりも先に進んだところを自分で学習することになります。
2)理系の受験生
① 学習のスケジュール
センター試験対策としては、8月末までに一通りの範囲の学習を終えて、9~11月は3日に1回のペース、その後12月に入ってからは最後の仕上げをしてください。センター試験の過去問には早めに(9~10月ごろから)着手してください。